私の知らん昔
私は逃げ回ったからこそ
まだ 人間境界という六道のなかに ウロウロしているけれども
仏さま 久遠劫のいにしえから
私に諸仏を遣わして
名号讃嘆を聞かしてくれた
私は逃げ回ったからこそ まだ人間だ
それでも諦めきれず 大悲無倦
諦めずに私に縁をむすんでくださったに違いない
それが 遠い昔から 私を見捨てない宿縁
いま 聞いたんです
いま なまんだぶつと
この五尺の体のお粗末なやつが
手を合わせられる背後に
どれ程の配慮があっただろうかと
お念仏のなかで 味わえばええんだ
そんなもの 人に言うことはない
人にそれを要求することもない
なんまんだぶつ